CanonのフルサイズミラーレスカメラであるEOS R5(R6)はAPS-C用のEF-Sレンズを使うことができます。
でも、EF-Sレンズは下位機種向けの安いレンズだから、画質的に大丈夫かな?という疑問はないでしょうか。
EF-Sレンズは、RFレンズやEFレンズに比べて安いので、「安い=低解像度」と思っていないでしょうか。
実は、EF-Sレンズは優れた解像度のレンズです。
この記事では、R5を使って、RFレンズとEF-Sレンズの解像度を比較した結果を紹介します。
この記事を読めば、R5でEF-Sレンズを使うというのが十分選択肢に入るということがわかると思います。
Contents
R5でEF-Sレンズを使う
R5やR6のようなフルサイズミラーレスは、RFマウントと呼ばれるレンズの規格です。
今までのCanonのレンズとは違いますが、マウントアダプターを付ければ、EFレンズやEF-Sレンズが使えるようになります。
フルサイズ用のEFレンズを使えば、フルサイズの画角で撮影でき、APS-C用のEF-Sレンズを使えば、APS-Cの画角で使うことができます。
APS-Cはフルサイズより小さいセンサーサイズなので、R5でAPS-C用のレンズを使うということは、フルサイズのセンサーの一部分だけを切り取って使うということになります。
小さいセンサーサイズに切り取って使うことをクロップと言います。
せっかくフルサイズのR5を持っているのに、もったいないと思うかもしれませんが、APS-Cにクロップすることで得られるメリットがあります。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
>>Canon EOS R5はクロップで最強のAPS-C機に。クロップ後の画素数は?
Canonからは、新しいAPS-Cのカメラが発売される様子がないので、現状だと最強のAPS-C機はR5+EF-Sレンズということになります。
でも、こんなことを感じませんか?
この疑問を解決するために、フルサイズミラーレス用のRFレンズと、EF-Sレンズを同じカメラで使って、解像度を比較してみます。
RFレンズ vs EF-Sレンズ 比較するレンズ
なるべく同じ条件で比較ということで、35mmのマクロレンズ同士で比較することにしました。
- RF35mm F1.8 MACRO IS STM
- EF-S35mm F2.8 マクロ IS STM
このレンズを、同じ距離、同じ絞り(F6.3)、同じカメラ(EOS R5)、同じ画角で撮影して解像度を比較します。
解像度が最も高くなる絞りはレンズによって違いますが、絞りを変えて撮影したところ、F6.3であればどちらのレンズもほぼ最高の解像度が出ていたので、F6.3で統一しました。
RFレンズを使うときは、カメラ側の設定でAPS-Cサイズにクロップして撮影しました。
RFレンズとEF-Sレンズの解像度比較
解像度測定用のチャートを壁に貼って、三脚でカメラを固定して撮影しました。
撮影した写真がこちら。
黒い線で描かれた縞々の模様がより鮮明に写っているほど解像度が高いということになります。
解像度が低いレンズだと、黒い線と背景の白がしっかり分離されず、線がつぶれたようになります。
非常に細かいところを見る必要があり、ブログに載せるような画像サイズだとよくわからないので、拡大して比較してみました。
中央部分を等倍(100%)まで拡大した画像です。
左がRF35mm、右がEF-S 35mmです。
クリックして画像を拡大して見るとわかると思いますが、EF-S 35mmの方が中央横の横線が鮮明に分かれています。
意外かもしれませんが、EF-S 35mmの方が解像度が高いです。
もう少しわかりやすくするために、200%まで画像を拡大して見ました。
EF-S 35mmの方が、横線や右上の縦線の細くなっている部分がしっかり解像しているのがわかると思います。
ここまで拡大すると、画素のドットの方が目立つくらいです。
レンズは、中央ほど解像度が高く、四隅にいくほど解像度が低くなります。
右上の角も拡大して確認してみました。
隅はほとんど差がないです。
意外にもRFレンズよりEF-Sレンズの方が高解像度という結果
なぜEF-Sレンズは安くて高解像度なのか
フルサイズのレンズは高価なものが多いですが、高価になる最大の要因は、周辺まで高解像度にするのが非常に難しいからです。
レンズは、中心からの距離が離れているほど解像度が低くなるので、センサーサイズが大きいと、その分四隅が中心から離れているということになり、四隅の解像度が低下しやすいです。
このため、コストをかけて周辺まできれいに写るレンズにしています。
これに対して、APS-Cはセンサーサイズが小さいので、フルサイズよりも周辺の解像度低下が起こりにくく、比較的安価にレンズを製造することができます。
つまり、センサーサイズの小さいAPS-Cは、光学的に有利ということで、
APS-C用レンズは安い=解像度が悪い
ではないということです。
EF-S 35mm F2.8は軽くてコンパクトで高解像度の良いレンズです。
EF-S60mmマクロも比較
水中撮影のマクロレンズとしては、EF-S60mmがとても使いやすいです。
35mm換算で96mmになり、メインのマクロレンズとしてちょうど良いので、このレンズの解像度も確認してみました。
本来は同じ焦点距離のレンズで比較するべきですが、比較用のレンズがないので、RF35mmと比較しました。
焦点距離が違うので、撮影距離もEF-S60mmの方が遠くなってしまい、同等の比較ではないので、おまけみたいなものですが、確認結果を載せておきます。
条件は先ほどのEF-S 35mmの比較のときと同じで、R5を使って撮影しました。
EF-S 60mmも十分な解像度があることがわかります。
RF35mmより離れたところから撮影しているのに、RF35mmと同等かそれ以上に解像しています。
ただし、マクロ撮影でEF-Sレンズを使う場合は注意する点があります。
フォーカスエリアが大きくなり、ピンポイントでピントを合わせるのが難しくなります。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
>>Canon EOS R5でAPS-Cにクロップしてマクロ撮影するときの注意点
R5でRF-Sレンズは使える?
APC-SサイズのミラーレスカメラEOR R7とEOS R10の発売に合わせて、APS-C用のRF-Sレンズが発売されます。
そこで気になるのが、RF-SレンズをフルサイズのR5やR6に使えるか?ということです。
結論としては、R5でRF-Sレンズを使うことができます。
この記事で見てきたように、R5にAPS-CサイズのEF-Sレンズを着けると、自動的にAPS-Cサイズにクロップされた状態になります。
同じようにRF-Sレンズを着けた場合も、自動的にクロップされてAPC-S機と同じ画角で撮影することができます。
R5は、クロップしても十分な画素数があり、非常に自由度の高い万能機です。
普段はフルサイズで本気の写真を撮って、登山や旅行など、荷物を軽くしたい場合は、RF-Sレンズお手軽にという使い方もできます。
R6だと、クロップしてしまうと画素数が少なすぎるので、R5の方がおすすめです。
カメラ・レンズ購入前のお試しはレンタルがおすすめ
EF-Sレンズがフルサイズミラーレス機でも問題なく使えることがわかっていただけたのではないでしょうか。
でも、用途や撮影のスタイルは十人十色。
最適な機材の組み合わせもみんな違います。
いくらネットで検索しても、本当に自分に合うかというのは、実際に使ってみないとわかりません。
そこでおすすめなのが、カメラ・レンズのレンタルです。
家電量販店でも試すことはできますが、レンタルは次のようなメリットがあるのでおすすめです。
- 使い慣れた自分のカメラボディでレンズで試せる
- 自分が持っているカメラやレンズと比較できる
- 撮影した写真をパソコンで確認できる
- 屋外など、自分がよく撮影する状況で撮影できる
- カメラバッグに入れてみて携帯性を確認できる
- 家電量販店に置いてないレンズとの組み合わせも試せる
カメラレンタルについて、詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
10社以上のレンタルサービスの内容を詳細に比較して分かった、私が本当におすすめできるサービス3社を厳選しました。
>>カメラ・レンズレンタルおすすめ3選!タイプ別に最適サービスを紹介
まだR5もレンズも持っていないという方は、CAMERA RENTでR5ボディをレンタルして、レンズはGOOPASSでレンタルがおすすめです。
GOOPASSは、1ヶ月に何度でもレンズ入れ替え放題なので、レンズを選ぶのに最適のサービスです。
フルサーズミラーレス機R5とEF-Sレンズ検証まとめ
EF-SレンズをR5で使って解像度を検証してみました。
EF-Sレンズはフルサイズのレンズと比べると安いので、解像度が悪いと思うかもしれませんが、そんなことありません。
センサーサイズが小さく、周辺の解像度低下が少ないため、コスパ的に有利なだけで、解像度は優秀です。
コンパクトで手軽に持って行けるので、EF-Sレンズを選択肢に入れると撮影のバリエーションが広がると思います。
フルサイズ用とAPS-C用の両方のレンズが使えるのがCanonのミラーレスの良い点だと思うので、フルサイズにこだわらず、APS-Cのレンズも使ってみてください。
特に、R5はAPS-Cサイズにクロップしても十分な画素数があるのでおすすめです。
R5のような高級機でEF-Sレンズはもったいないと思うかもしれませんが、逆です。
R5だからこそ、十分な画素数でEF-Sレンズを使えるのです。