Canonのフルサイズミラーレスでは、EOS R5とEOS R6どちらにするかというのがよく比較されますが、ダイビングで使うなら、R5が断然おすすめです。
この記事では、なぜR5がおすすめなのか解説します。
この記事を読めば、R6にする必要がまったくなく、R5一択だということがわかると思います。
この記事はこんな人におすすめ
- R5かR6どちらにするか迷っている
- R5は高価だから躊躇している
- R5の高画素が必要か疑問
- R5にする明確なメリットが知りたい
- 動画を撮らないならR6の方がいいと聞いたけど
この記事を読めば、これらの悩みがすべて解決し、安心してR5を買えると思います。
すでにR6を買うと決めている方でも、一度違いを見つめ直すいい機会になるのではないでしょうか。
また、今回はCanonのR5とR6についての説明ですが、他のメーカーのカメラでも、同様に上位機種にするべきか、1つランクを下げるかというのは、よくある話なので、この記事を読むことで、カメラ選びの考え方の参考になると思います。
Contents
R6よりR5の方がおすすめの理由
結論から言うと、下記の理由で、R5の方がおすすめです。
- R5の方が高性能で安い
- クロップやトリミングが使いやすい
- リセールバリューが高い
- 最上位機種の満足感
順番に説明していきます。
R5の方が高性能で安い
EOS R5の方が上位機種なので、高性能なのは当然ですが、「安い」と言われると、「なんで?」ってなると思います。
当然、カメラボディーの本体価格だけを考えれば、R5の方が高いです。
この記事を書いている段階で、
R5は、税込み452,500円
R6は、税込み319,720円
なので、R5の方が約13万円ほど高いです。
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単純に本体価格だけで比較するとR5の方が高いということになりますが、ダイビングで使うことを考えると、逆にR6の方が高くなります。
それは、R6用のハウジングはFisheye社のノーティカム(nauticam)一択になるからです。
ハウジングとして有名なのは、 nauticamかSEA&SEAですが、SEA&SEAは、R5用ハウジングはありますが、R6のハウジングを作っていません。
このため、R6を使うなら、必然的にハウジングはnauticamになります。
SEA&SEAの方が圧倒的に安いので、ハウジングの価格まで考えた合計金額で考えると、R5の方が安く購入できるということになります。
実際の価格比較は、過去の記事をご覧ください。
>>Canon EOS R5用水中ハウジングの価格比較
定価同士で比べると、SEA&SEAは、nauticamより約74万円も安くなります。
上記の記事では、R5のハウジングで比較していますが、nauticamのハウジングは、R5とR6で全く同じ値段なので、SEA&SEAの方が74万円安いということは変わりません。
R5の方が本体価格は18万円ほど高いですが、それを差し引いても全体としては56万円も安く買えるということになります。
R6の最大の売りは、「十分な静止画性能でお手頃な値段」ということですが、
水中撮影においては、「R5より性能が劣るのに高額」という逆転現象が起きてしまいます。
この時点で、ほとんどの方にとってR6を買う意味がなくなるのではないでしょうか。
「R5より性能が劣る」と書きましたが、静止画撮影においてR6の方が性能が低いのは、画素数とEVF(電子ファインダー)です。
EOS R5 | EOS R6 | |
---|---|---|
画素数 | 約4480万画素 | 約2010万画素 |
EVF | 約576万ドット | 約369万ドット |
画素数は、通常の撮影においては、2000万画素で十分ですが、トリミングする場合や、次に紹介するクロップを使う場合は、物足りないです。
EVFは、高解像度であればあるほどいいと思います。
一眼レフの場合は、レンズからの光を直接ファインダーで見るので、無限大の解像度と言っても良い状態でしたが、ミラーレスカメラは、ファインダーを覗いて見える映像も電子的に処理された「映像」です。
高解像度の方がより一眼レフの感覚に近くなります。
といっても、素人が見てわかるほどの違いかっていわれると微妙なところですが、わざわざ高くて性能が劣るR6を選ぶ理由はないと思います。
クロップやトリミングが使いやすい
先ほど説明したように、R5は高画素なので、トリミングしても十分な高解像度の写真にすることができます。
例えばこちらの写真。
RF100mmでほぼ最短距離で撮影した小さなカニです。
この写真の目の部分を中心にトリミングしてみます。
クリックして拡大して見てください。
カニの目の複眼?のようなドット状の模様がしっかり描写されています。
ここまで拡大しても画素の粗さは感じられません。
ここまで極端なトリミングをすることは珍しいと思いますが、ダイビングでは、どうしても理想的な距離で撮影できない場合があるので、ある程度のトリミングは必要になります。
高画素であるほど、トリミング耐性が高いので、R6よりR5がおすすめです。
そして、私が一番注目したいのが、クロップです。
クロップというのは、フルサイズのカメラで、センサーの一部だけを使ってAPC-Sサイズにして使うことです。
ダイビングでは、特にワイド撮影においてクロップが重要になります。
ワイド撮影では、EF8-15mm F4L フィッシュアイがよく使われ、私も愛用していますが、このレンズとクロップの組み合わせが最強です。
ワイド撮影ならこれでほぼ困ることはないです。
EF8-15mm F4L フィッシュアイ+クロップがなぜいいか、詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
>>Canon R6ではなくR5にした理由。クロップで最強のAPS-C機に。クロップ後の画素数は?
EF8-15mmフィッシュアイレンズは、フルサイズカメラで使うと、ほぼ単焦点のような状態ですが、APC-Sのカメラと組み合わせると、16-24mm相当の超広角ズームレンズとして使うことができます。
途中でレンズ交換できない水中において、この画角の幅はかなり使い勝手がいいです。
クロップ自体は、R5でもR6でも変わらずできるのですが、クロップは、画素数だけに着目するとトリミングと同じようなものなので、トリミング耐性の低いR6で使うのは厳しいです。
R5なら、クロップしても1730万画素と十分な画素数で、ここからさらに構図調整のトリミングをする余裕があります。
R5は8Kが撮れるミラーレスとして注目されて、静止画だけならR6で十分という意見もありますが、私はクロップするためにはR5の高画素が必要だと思っています。
リセールバリューが高い
どんなものでも、最上位機種というのは値段が下がりにくいものです。
現時点で、Canonのフルサイズミラーレスの最上位は、EOS R3ですが、これは縦位置撮影も考慮した大型のカメラです。
おそらく、R3のハウジングが発売されることはないでしょう。
ダイビングのようにアクティブなフィールドで使う場合は、EOS R5が最高峰です。
一眼レフのEOS 5D Mark IVが発売から5年以上たった今でも多くのダイバーに愛用され、中古市場で高値で取引されているように、R5もリセールバリューが高い状態が続くと考えられます。
高いハウジング代をかけて、R6を買うより、R5を買った方が、将来的に幸せになれると思います。
最上位機種の満足感
やっぱり、最上位機種というのは、機能がどうとかだけでなく、持っているだけで満足感があります。
これは感情論になりますが、個人的にはすごく重要なことだと思っています。
「趣味なんだから、プロが使うような高級機種じゃなくていい」という人もいますが、私は逆で、「趣味だから自分が満足できる最高のものを使いたい」と思います。
あるカメラ女子のツイートで、「R5を買って一番良かったことは、カメラ好きおじさんにマウント取られなくなったこと」と言っているのを見て、妙に納得しました。
いいものを使っていると、持っているだけで気分が上がるし、他の人のカメラを見てうらやましく思うこともありません。
納得いかない写真が撮れたときも、カメラの性能のせいもあるのかなって思って余計なモヤモヤを感じることもなく、「このカメラで最高の写真を撮ろう!」と撮影に集中することができます。
そして、最高にお気に入りのカメラと向き合い、とことん使い込むことで、写真もうまくなっていきます。
もちろん、R6が自分にとって最高だと感じていればそれで問題ないと思いますが、「R5は高いからR6で我慢」という気持ちが少しでもある状態でR6を選ぶと、後悔するかもしれません。
R6派の意見
ここまで、R5の良さを紹介しましたが、私が聞いた、R6の方が良いという意見も紹介します。
R6の方が良いという意見としては、下記のようなものがあります。
- R5はRAWデータの容量が大きくて扱いづらい
- R6は高感度に強い
- CF EXpressカードが使いづらい
これらの意見に対して、私はR6を選ぶほどの決定的な理由にはならないと思っています。
順番に説明します。
R5はRAWデータの容量が大きくて扱いづらい
R5のRAWデータは、約45MBです。
これに対して、R6は、約22MBです。
確かに、R5は倍以上のデータ容量ですが、私は実際に使っていて、容量が大きすぎて困るという感覚はありません。
さらに、C-RAWを使うことで容量を抑えることができます。
C-RAWは、容量を低くする代わりに、画質が少し悪くなるということですが、通常の使用では、何が違うのか全く分からないほど劣化を感じません。
詳細はこちらの記事に書いていますが、黒つぶれするくらい真っ暗な写真をRAW現像で強引に明るくした場合に、ノイズが感じられる程度です。
>>Canon R5のRAWデータ保存は小サイズのC-RAWで問題ないか検証
基本的には、通常のRAWとC-RAWの画質の差を判別することはできないと思います。
もし、この差がわかるくらい、シビアに画質を求めるなら、そもそも低画素のR6で満足している理由がわからないです。
C-RAWにすれば、容量は半分以下になるので、R5はデータ容量が大きいのが不安という方も問題ありません。
R6は高感度に強い
R5は最高ISO感度 51200で、R6は102400です。
基本的に、低画素の方がノイズが少なくなるので、R6の方が高ISOで使えるようになっています。
でも、夜景を撮るのでなければ、R5とR6の差は感じないと思います。
まず、マクロ撮影の場合は、ストロボやライトで十分な光を当てるので、ISO感度は上げても800くらいまでで十分です。
問題になるとしたら、ワイドの場合で、天気が悪い日や、深場で撮影する場合は、ISO感度を上げる必要が出てきます。
それでも、ISO 2000くらいで何とかなるので、高感度耐性を理由にR6を選ぶ必要はないと思います。
それよりも、ワイドは先述したとおり、クロップで使える方が撮影チャンスを逃さないという点で有利だと思います。
ちなみに、下の写真が天気が悪い上に、透明度もあまりよくなく、さらに水深20mという暗い条件で撮影した写真です。
このときのISO感度は2000です。
浮遊物が多く、ノイズよりも浮遊物が目立ってしまうので、あまりいい例ではないですが、逆に、このくらい条件が悪いときでないと、ここまでISOを上げる必要はないです。
下の画像のように等倍まで拡大してもノイズは気になりません。
天気悪くて、浮遊物が多くて、水深が深いという悪条件でもISO 2000程度で撮影でき、 R5の最高ISO感度 51200に対してまだまだ余裕があるので、十分すぎるほどの性能です。
R6にすればよかったと後悔するような状況はほとんどないと思います。
CF Expressカードが使いづらい
R5のカードスロットは、CF Express 1つと、SDカード 1つです。
R6は、SDカード 2つになっています。
CF Expressは、専用のカードリーダーが必要で、カード自体も高いので、使いづらいという意見がありますが、それならSDカード1枚で運用すれば問題ないです。
1日のダイビングでSDカード 1枚を使い切るということはないと思います。
私は、一眼レフを使っていたときからSDカード 1枚でやってきましたが、困ったことは一度もありません。
今は、バックアップとしてCF Expressも入れて、「同一書き込み」の設定にし、SDカードとCF Expressに同時に同じデータが記録されるようにして、バックアップを取りながら撮影していますが、通常はSDカード 1枚で十分です。
さらに、CF Expressは専用カードリーダーが必要という点も、高価なカードリーダーは不要で、5,000円程度で購入できるもので十分です。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
>>格安CFexpressカードリーダーと古いパソコンで問題ないか検証
CF expressという、より信頼性の高い新しい規格のカードが使えるという点で、R5の方が優れています。
「同一書き込み」にしておけば、汎用性の高いSDカードの利点と、高速で信頼性の高いCF expressの両方の恩恵を受けることができます。
安いSDカードを2枚使えるからR6の方がいいと言うくらい、記録メディアにこだわりがないなら、そもそも2枚挿しで使わなくてもいいのではと思います。
ダイビングでR5がおすすめな理由まとめ
ダイビングでR6よりR5の方がおすすめな理由を紹介しました。
おすすめな理由は下記の通りです。
- R5の方が高性能で安い
- クロップやトリミングが使いやすい
- リセールバリューが高い
- 最上位機種の満足感
R6の最大の売りは、価格が安いのに十分な静止画性能があるということですが、ダイビングで使うことを考えると、むしろR6の方が高くなります。
価格的なメリットがない以上、R6を選ぶ理由はないと思います。
そして、R5は価格以上に満足度の高いカメラです。
ぜひR5を使って、最上位機種の満足感を感じてほしいです。
ハウジングをSEA&SEAにすれば比較的安く手に入るとはいえ、一気にカメラ、レンズ、ハウジング関係を買うと、それなりの金額になるので、まずは本体とレンズを買ってR5の良さを感じてもらえればと思います。