ダイビングで水中撮影をするときに欠かせないストロボ用の光ケーブルですが、1本 8,000円でとても高価です。
ストロボを2灯使うなら、16,000円になります。
でも、自分でパーツをそろえて組み立てれば、60%以上安く購入することができます。
この記事では、具体的に何を買えばいいか、買った後にどのように組み立てればいいか、写真を使って説明します。
自分で組み立てると言っても、とても簡単で、特別な工具も不要です。
この記事を読んで購入すれば、お得に光ケーブルを購入することができ、さらに自分で組み立てるので、長さを自由に変えたり、もし切れてしまった場合も簡単に修理できるようになります。
この記事でわかること
- 光ケーブルを安く買うためのパーツ選び
- 光ケーブルの組み立て方
- 価格以外のメリット
Contents
ストロボ用光ケーブルとは
まず、ダイビングの水中撮影で使う光ケーブルについて説明します。
水中撮影では、きれいな色を出すためにストロボが必須になりますが、そのストロボを発光させるのに必要なのが光ケーブルです。
下の写真は、フルサイズミラーレス一眼のハウジングです。
陸上の撮影では、カメラに直接ストロボを接続しますが、水中撮影では、カメラは密封されたハウジングの中に入っているので、カメラのシャッターとストロボの発光を同期させるためには、ハウジングからストロボへ発光タイミングを伝達する必要があります。
そこで必要になるのが、光ケーブルです。
ハウジングには、下の写真のように小さい円形の窓のようなものがあり、ここから光が出ます。
この光を、光ケーブルでストロボに伝えることで、シャッターのタイミングに合わせてストロボを発光させることができます。
そんな大事な光ケーブルですが、結構高いです。
ワイド撮影でも使うことを考えると、68cmのものがいいのですが、イノンの「L型光DケーブルL・ゴムブッシュセット2」は、8,000円もします。
しかも、光ケーブルは撮影機材の中でも比較的壊れやすいです。
細くて強い力が加わると切れることがあるので、ダイビング中だけでなく、行き帰りの持ち運びも気を付ける必要があります。
そこで、この記事では、パーツを買って自作することで、既製品を買うよりも安く準備する方法を紹介します。
自作と言っても、簡単な組み立てでできます。
光ケーブルを安く買うためのパーツ選び
必要なパーツは、下記の3つです。
- 光ケーブル
- L型ゴムブッシュ
- FIX マルチオプティカルケーブルII用アダプター INON/S
この3つを組み合わせると、イノンの既製品と同じように使うことができます。
個人的には、既製品より使いやすいと思っているくらいです。
ストロボ用に使える光ケーブル
ダイビングの道具はマイナーで大量生産していないので、すごく高いです。
でも、オーディオ用として一般的に使われている光ケーブルなら、かなり安く手に入れることができます。
ストロボ用に使うときのポイントは、
- 直径が2mm
- 被覆がシンプル
- 柔軟性がある
この条件を満たしていて、私も実際に使っているのが、Amazonの「デジタル光SPDIFオーディオケーブル」です。
既製品のケーブルと比べても、直径、被覆の状態、コアの太さがほぼ同じで、まったく問題なく使えるのに、価格が3mで600円以下と激安です。
長さは、3m、5m、10mがあります。
安いので長めを買っておくのがおすすめです。
長めを買っておけば、もし切れてしまった場合の修理に使えます。
実際にイノンのストロボ「S-2000」と「Z-330」で使って問題ないことを確認しています。
ただし、オーディオ用のコネクタなので、当然ハウジングにはそのまま使えません。
この後紹介するコネクタが必要です。
L型ゴムブッシュ
ハウジングやストロボに光ケーブルを接続するために必要になります。
下の写真のように光ケーブルの先端に取り付け、これをハウジングに接続します。
このL型ゴムプッシュは、イノンの純正品を使います。
これは楽天で買うのがおすすめです。
FIX マルチオプティカルケーブルII用アダプター INON/S
「FIX マルチオプティカルケーブルII用アダプター INON/S」は、ストロボ側に取り付けて使います。
イノンのストロボは、下の画像のようにセンサーがむき出しになっている状態です。
正規品のイノンの光ケーブルの場合、このストロボのセンサー部分にネジで取り付けられるようになっています。
同じコネクタを単品で買うこともできますが、高いし、後で説明しますが、あまり使いやすくない点があります。
そこで、おすすめなのが、「FIX マルチオプティカルケーブルII用アダプター INON/S」です。
下の写真のような部品で、ストロボのネジに合うようになっています。
これをストロボに取り付けると、L型ゴムプッシュが取り付けられるようになります。
これで、ストロボにもハウジングにもL型ゴムプッシュで接続できる状態になります。
Amazonには取り扱いがなく、楽天で購入できます。
イノンの光ケーブルと価格比較
ここまでで紹介した部品でケーブルを作成すると、どのくらい安くなるか計算してみました。
一眼の場合、基本的にストロボは2灯なので、2本の金額で比較です。
イノン正規品 | 自作 | |
---|---|---|
L型DケーブルL 2本 | 16,000円 | ― |
デジタル光SPDIFオーディオケーブル | ― | 560円 |
L型ゴムブッシュ (1穴) 4個 | ― | 3,014円 |
FIX アダプター 2個 | ― | 2,266円 |
合計 | 16,000円 | 5,840円 |
イノン正規品が16,000円なのに対して、部品をそろえて自作すれば、5,840円ですみます。
約63% OFFの値段です。
上の表は、実際に購入したときの送料も入れて計算しています。
自作の方は、単価が安いものを数種類買う必要があり、送料が多くかかる分不利ですが、それでも、63%も安いです。
しかも、ケーブルは2本分以上の長さがあり、もし切れてしまったときの修理にも使えます。
自作しない理由がないほど圧倒的なお得感です。
光ケーブルの組み立て方
自作と言っても、光ケーブルを必要な長さに切って、L型ゴムプッシュを光ケーブルに取り付けるだけの簡単な作業です。
光ケーブルの切断
購入時のケーブルは、下の写真のようにオーディオ用のコネクタが付いています。
このコネクタは使わないので、切断します。
特別な道具は不要で、カッターで切れます。
きれいな断面にしたいので、新品のカッターの刃を使うことをおすすめします。
一発で切ろうとせず、ノコギリのように刃を前後させながら、カッターの切れ味を活かして切れば、下の写真のようにきれいな断面になります。
ちなみに、ペンチでも切ることもできますが、下の写真のようにケーブルがつぶれて断面が汚くなるので、カッターで切断した方がいいです。
断面がきれいなほど、光を伝達しやすくなります。
L型ゴムプッシュの取り付け
必要な長さにケーブルを切り出したら、L型ゴムプッシュを取り付けます。
もともと、L型ゴムプッシュは自分で取り外しできるように設計されているので、必要な工具が付属していて、説明書も付いています。
説明書を見ればできると思いますが、実際に私がやったときの写真を使いながら簡単に説明します。
まず、付属の工具でネジを外します。
ネジを外すと、本体部分が分解できます。
ゴムチューブに光ケーブルを通します。
ゴムチューブの先端と光ケーブルの先端を合わせます。
と言っても、そこまで厳密にやる必要はないです。
ゴムチューブをカバーにセットします。
蓋をして、ネジを締めます。
ケーブルの反対側も同様に取り付けます。
ストロボとハウジングを光ケーブルで接続
ケーブルが完成したら、ストロボとハウジングを光ケーブルで接続します。
ストロボ側には、「FIX マルチオプティカルケーブルII用アダプター INON/S」を取り付けて、光ケーブルを接続します。
ハウジング側は、もともとL型ゴムプッシュがちょうど入る穴があるので、そのまま押し込むだけです。
もし、穴の径があまりにもピッタリすぎて余裕がない場合は、空気の逃げ場がなく、下の写真のように少し浮いた状態になります。
ハウジングに接続する側のコネクタは、今回の自作でもイノン純正を使っているので、正規品を買った場合も同じ現象になります。
ハウジングとの相性次第だと思います。
浮いてしまう場合は、L型ゴムプッシュをカッターで少し削るときれいに入ります。
下の写真のように、一番太くなっている部分を少しだけ削るといいと思います。
やりすぎると緩くなるので注意してください。
価格以外の自作光ケーブルのメリット
圧倒的な安さの自作光ケーブルですが、価格以外にも下記のメリットがあります。
- 切れても修理ができる
- ストロボ側のコネクタが使いやすい
切れても修理ができる
光ケーブルは3mですが、実際に使うのは68cm×2本で140cm程度なので、半分以上余ります。
なので、もし切れてしまっても、自作したときの要領でケーブルを交換するだけで簡単に修理できます。
正規品の場合、丸ごと買い替えになって、また8,000円かかります。
追加購入なしで簡単に修理できるので、自作はおすすめです。
光ケーブルは、3mよりも長いものも売っています。
長くなってもあまり値段が変わらないので、予備で長めに買っておくのもいいと思います。
ストロボ側のコネクタが使いやすい
イノンのストロボは、センサーがむき出しになっています。
ケーブルを取り付けると、下の写真のようにセンサーは保護されるのですが、ケーブルを付けたまま運ぶと、輸送中にハウジングなどとぶつかってケーブルが切れる可能性があります。
できれば、ケーブルは取り外して別の容器に入れて運びたいです。
本来の目的とは違いますが、下の写真のように、センサーを保護できる部品がストロボに付属しているので、運ぶときはこれに付け替えるのがいいと思いますが、いちいち付け替えるのが面倒です。
これに対して、今回の自作ケーブルで紹介したアダプターであれば、下の写真のようにストロボ側にアダプターを付けた状態で、ケーブルだけ外すことができます。
センサーがアダプターで保護されるので安心です。
このように、安いだけではなく、使い勝手の面でも自作ケーブルはおすすめです。
ストロボ光ケーブル自作まとめ
ストロボ用の光ケーブルを自作する方法を紹介しました。
必要な部品は次の3つです。
- 光ケーブル
- L型ゴムプッシュ
- FIX マルチオプティカルケーブルII用アダプター
水中撮影関係の部品は、見た目が似ていても微妙に仕様が違うものがあるので、実際に私が購入して問題ないことが確認できている下記リンクを使うのがおすすめです。
「FIX マルチオプティカルケーブルII用アダプター」は楽天で購入できます。
自作といっても、やることは簡単で、下記のことをするだけです。
- 光ケーブルを必要な長さに切断する
- L型ゴムプッシュを取り付ける
たったこれだけの手間で、60%以上安く光ケーブルを入手することができます。
さらに、価格以外のメリットとして、
- 切れても修理ができる
- ストロボ側のコネクタが使いやすい
というのがあります。
価格だけでなく、保守や使い勝手の面からもおすすめできます。
これでもう、高い光ケーブルに悩まされることがなくなります。
本当に簡単なので、ぜひやってみて下さい。