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Canon EOS R5でAPS-Cにクロップしてマクロ撮影するときの注意点。EF-S 60mmが使えない理由。

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CanonのEOS R5は4500万画素で高画素なので、APS-Cサイズにクロップしても十分使えるという利点があります。
でも、マクロ撮影で使うときは注意点があります。
それは、AFフレームのサイズの問題です。

どのような問題があるか、実際にクロップで撮影したときの例を紹介しながら説明します。

クロップ撮影で焦点距離が1.6倍になる

EOS R5は、デフォルトの設定だとフルサイズの画角で撮影することになりますが、設定を変えることで、APS-Cサイズにクロップすることができます。
焦点距離が1.6倍になるので、ズームしたような効果があり、1つのレンズで撮影の幅が広がるので便利な機能です。

私がEOS R6ではなく、R5を選んだのもクロップを使うためです。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
 >>R6ではなくR5にした理由。クロップで最強のAPS-C機に。

マクロ撮影でクロップするときの注意点

便利なクロップ機能ですが、マクロ撮影のときは注意が必要です。

マクロレンズを使って撮影する場合、被写体の意図した箇所にピントを合わせるため、オートフォーカス(AF)の設定は、スポット1点AFを使います。
ワイド撮影だと大まかな範囲選択でいいですが、マクロはミリ単位のピント合わせが必要なので、スポット1点AFを使ってピンポイントで狙います。

ここで問題になるのが、クロップするとAFフレームのサイズが大きくなるということです。

実際にどうなるか見てみます。

下の写真のように赤べこのお腹の下の隙間から、奥にある100円玉にピントを合わせる場合を例に説明します。

画面全体を対象にするAF方式だと、赤べこにピントが合ってしまうので、スポット1点AFを使って100円玉を狙い撃ちします。

スポット1点AFだと、AFフレームのサイズが小さいので、赤べこにかからずに、100円玉だけを狙ってピントを合わせることができます。

でも、クロップすると、このAFフレームのサイズが大きくなってしまいます。

この撮影では、RF100mmマクロを使っていて、クロップ後は約160mm相当の焦点距離になっています。

この例では、赤べこの隙間が十分広いので、ちゃんと100円玉にピントを合わせることができていますが、もう少し焦点距離が短いレンズを使うと問題になります。

APS-C機よりもAFフレームサイズが大きくなる

焦点距離が短いレンズで同様の条件で撮ってみます。

RF35mmでクロップした場合、下の写真のようになります。

EOS R5 + RF35mmでクロップ撮影

35mmのレンズでクロップすると、AFフレームサイズが赤べこの隙間より大きくなってしまうので、100円玉に正確にピントを合わせるのが難しくなってしまいます。

同じ35mmのレンズでも、クロップではなく、カメラ本体がもともとAPS-C機の場合、AFフレームは小さくなります

APS-C機のEOS 80DでEF-S 35mmで撮影すると、下の写真のようになります。

EOS 80D + EF-S 35mm

赤べこの隙間の範囲にしっかり収まって、正確にピント合わせができます。

このように、もともとカメラがAPS-C機の場合は、小さいAFフレームでピント合わせができますが、EOS R5のようなフルサイズミラーレス機でAPS-Cサイズにクロップすると、AFフレームが大きくなるので、マクロ撮影で小さい範囲にピントを合わせたいときは使いづらいです。

EF-S 60mmはRF100mmの代わりにならない

マクロ撮影だと、100mmくらいの焦点距離が使いやすいですので、通常は、EOS R5を使う場合は、RF100mm Macroを使うことになります。

でも、コンパクトなシステムにしたいとか、安くお手軽にマクロ撮影を楽しみたいという場合、RF100mmは本体重量も値段も重いです。
そこで、EF-S 60mmを使ってクロップすることで、焦点距離的にはほぼ同じ96mmにして使うことを思いつきますが、AFフレームが大きくなる問題があるので代用としては厳しいです。

カメラ本体は同じEOS R5で、レンズをRF100mmとEF-S 60mmで比べてみました。

EOS R5 + RF100mm
EOS R5 + EF-S 60mm

EF-S 60mmはクロップされてAFフレームが大きくなるので、使いづらいです。

今回の例は比較的隙間が大きいのでまだなんとかなっていますが、針の穴を通すような狭い隙間のピントを狙いたいときは使えません。

そして、マクロ撮影ではそのようなシチュエーションはよくあります。

まとめ

EOS R5などのCanonフルサイズミラーレスは、クロップして使えるのが便利ですが、マクロ撮影の場合は問題があります。

クロップすると、スポット1点AFのときのAFフレームのサイズが大きくなってしまいます。

マクロ撮影では、狭い範囲を狙ってピント合わせが必要になるので、AFフレームのサイズが大きくなるのは致命的です。
クロップが使えれば、コンパクトなシステムで撮影できるので、機材を軽くしたいときには便利なのですが、残念ながらマクロ撮影には使えません。

コンパクトさ重視なら、もともと本体をAPS-C機にする必要があります。
もっとも、今の時代、これから購入を考えている方にAPS-C機はおすすめしませんが。

ということで、フルサイズミラーレスでマクロ撮影をしたい場合は、おとなしくRF100mmを使いましょう。
ちなみに、ワイドの場合は、ここまで細かいピント合わせは不要なので、クロップは十分使えます。

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