遊戯王で人気のブルーアイズホワイトドラゴンですが、海にも宝石のような美しい青い眼の生き物がいます。
その美しい眼がこちら
撮って出し神話は否定派ですが、この画像はレタッチしていません。
肉眼で見ても写真のような美しい青い眼をしています。
この眼は、カエルアンコウの仲間の眼です。
カエルアンコウと言えば、ちょっととぼけたような表情がかわいいダイバーに人気の魚です。
魚だけど泳ぐのはあまり得意ではなく、手のようなヒレで歩いたり壁に張り付いていたりします。
その手でがんばって動くしぐさもまたかわいいのです。
カエルアンコウにはいろんな種類がいて、色や模様も様々です。
私が好きなカエルアンコウは、クマドリカエルアンコウです。
歌舞伎の化粧のような隈取り模様が特徴で、カエルアンコウの中でも特に鮮やかな色です。
カエルアンコウはあまり動かないからか、歳をとるにつれて、付着物が多くなり、見た目が汚くなってきてしまいます。
生まれたばかりの小さいカエルアンコウは、汚れなくきれいなんですけどね。
荒波にもまれて歳をとると汚れてしまうのは人も魚も同じなのでしょうか。
いろんな種類がいてかわいいカエルアンコウですが、今までの写真のものは、赤ちゃんで1cmくらい、大きくなったもので8cmくらいです。
では、冒頭の美しい青い眼を持つカエルアンコウはどんな姿をしているのでしょうか。
それがこちらです。
その名は、ソウシカエルアンコウ。
10cm以下が多いカエルアンコウ界において、この個体は20cmほどあります。
しかもこれでも小さい方です。大きいものだと50cmくらいのものもいます。
そして、大きさに見合うだけの長い年月を経たのか、付着物も多く、黒く汚れた姿は完全に岩と同化しています。
そんな汚れてしまったソウシカエルアンコウですが、眼はとても美しい青をしています。
すべての美しい要素を眼に持っていかれたかのように体の汚れ具合に見合わない美しい眼です。
今までいろんな魚を見てきましたが、ソウシカエルアンコウの眼が一番美しいと思います。
眼が美しいので、その美しさを強調するために眼のアップを撮影したのが、冒頭の写真です。
撮影には、通称「貴族レンズ」と呼ばれる「NA スーパーマクロコンバージョンレンズ SMC-1」を使いました。
ただの外付けレンズのわりに高級だからそう呼ばれているのだと思いますが、高いだけのことはあって、とても写りがよく、このレンズがないと撮れない写真が撮れます。
このレンズを使うと、なしに比べて2.3倍の大きさで撮れるのですが、それほど拡大されるのに画面の隅々までシャープに描写されます。
今回のソウシカエルアンコウの眼も、このレンズなしではあれほど拡大して美しく撮影することはできません。
これはもう、レタッチではどうにもできないレベルです。
例えば、トリミングで拡大して同じような写真にしようとした場合、下のような感じになります。
貴族レンズを使ってトリミングなしの画像と比べると明らかに解像感が違うのがわかると思います。
貴族レンズ偉大です。マクロ系フォト派ダイバーの必須アイテムになっているのも頷けます。
最後は器材紹介になってしまいましたが、この記事で言いたかったのは、ソウシカエルアンコウの眼は世界一美しいということです。
汚い体に光る美しい眼というのも、どこか童話的で、伝説上の生き物のような雰囲気があり、ブルーアイズの名にふさわしいのではないかと思いました。