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EOS R5(R6)をダイビングで使うときのホワイトバランス設定検証【水中マクロ撮影編】

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水中撮影の場合、海水の影響を受けるので、陸上とは条件が異なり、ホワイトバランスをどうすれば良いか迷うのではないでしょうか?

こんな悩みはありませんか?

  • ホワイトバランスの設定を何にすればいいか分からない
  • 設定を変えると写真がどう変わるのか分からない
  • 水中で設定する余裕がない
  • 毎回設定を変えるのは大変だからどれか1つに決めたい

ホワイトバランスがうまく設定できていないと、思ったような色にならず、設定が悪いのか、ライティングが悪いのか分からず撮りたい写真が撮れません。

そこで、この記事では、実際に水中でホワイトバランスを変えて撮影した写真を使って、どの設定にすれば良いか紹介します。

結論から言うと、ホワイトバランスの設定は、「オート(雰囲気優先)」がおすすめです。

ただし、色の出し方には個人の好みもあるので、この記事で紹介しているホワイトバランス設定の違いによる色の変化を見てもらえればと思います。

この記事を読めば、ホワイトバランスの設定で迷うことがなくなり、撮影に集中することができるようになります。

時間の限られている水中撮影では、迷わないということは非常に重要で、良い写真を撮れるかということに直結します。

EOS R5(R6)のホワイトバランス設定

CanonのフルサイズミラーレスのEOS R5とR6は、ホワイトバランス設定は同じで、下記の10種類があります。

  • オート(雰囲気優先)
  • オート(ホワイト優先)
  • 太陽光
  • 日陰
  • くもり
  • 白熱電球
  • 白色蛍光灯
  • ストロボ
  • マニュアル
  • 色温度(5200K)

Canonの他の機種も同様の設定があります。

また、Canon以外のメーカーでもほとんど同じ設定があります。


R5の場合、静止画撮影メニューの「ホワイトバランス」で設定できます。


下の図のようにアイコンでホワイトバランスを選択することができます。


全部で10種類ありますが、「マニュアル」は少し特殊で、ホワイトバランスの基準になる写真を選択して調整するものなので、状況によって変わります。

なので、この記事では、マニュアル以外の9種類で比較します。

また、「色温度(5200K)」は、本来は自分で数値を設定するのですが、今回はデフォルトの5200Kにします。

オートホワイトバランスは雰囲気優先とホワイト優先の2つ

オートホワイトバランスには、「雰囲気優先」と「ホワイト優先」の2つの設定があります。

雰囲気優先は、やや赤みがかかった写真になります。
ホワイト優先は、赤みの少ない写真になります。

下の画像のように、オートホワイトバランス(AWB)を設定した状態で、INFOボタンを押すと切り替えることができます。

INFOボタンで切り替え。

AWBがオート(雰囲気優先)で、
AWBWがオート(ホワイト優先)です。

同じオートでも、仕上がりの写真の色が大きく違うので、今回の検証でもそれぞれ撮影してみました。

自然光+ストロボで撮影

今回は、こちらの写真の状況で、ホワイトバランスを変えて撮影してみました。

完全にストロボの光だけに頼った撮影ではなく、自然光も取り入れて撮影しています。

このような状況で、ホワイトバランス設定を変えて9枚撮影した結果がこちら。

画像クリックで拡大できます

どうでしょうか?

ホワイトバランスの設定でかなり色が変わりますよね。

では、どの写真がいいか選んでいきます。

まずは消去法で、「白熱電球」と「白色蛍光灯」はなしですよね。
不自然に青すぎます。

白熱電球
白色蛍光灯


次になしだと思ったのが、「日陰」「くもり」「ストロボ」です。

先ほどとは逆に、暖色系に寄りすぎています。
青みがほとんどないので、海の中という感じがしないし、背景の海の色が緑っぽくなっています。

日陰
くもり
ストロボ


ということで、最終選考まで残ったのは、「オート(雰囲気優先)」「オート(ホワイト優先)」「太陽光」「色温度(5200K)」です。

この4枚を並べて比較してみます。

クリックで拡大


「太陽光」「色温度(5200K)」は、オートに比べると暖色系で、海の色が緑なのが気になります。

なので、使うとしたら、「オート(雰囲気優先)」「オート(ホワイト優先)」の2択ですね。

私としては、「オート(雰囲気優先)」の方が好きなので、この設定でいいと思います。

「オート(ホワイト優先)」の方が、海の色がより青くなるので、青抜きの写真にしたい場合は、「オート(ホワイト優先)」に切り替えても良いと思います。


ストロボ光のみで撮影

次に、自然光の影響をほとんど受けないくらい露出アンダーの設定にして、ほぼストロボ光のみの状態にして撮影してみました。

今回は、こちらのウミウシで検証します。


ホワイトバランスを変えて撮影した9枚がこちら。

画像クリックで拡大できます

先ほどのギンポの写真とだいたいの傾向は同じかと思います。

「白熱電球」「白色蛍光灯」は寒色系に寄りすぎて、無機質な感じがします。

白熱電球
白色蛍光灯


そして、「太陽光」「日陰」「くもり」「ストロボ」「色温度(5200K)」は、暖色系に寄りすぎていています。

太陽光
日陰
くもり
ストロボ
色温度(5200K)

今回のウミウシを黄金色で表現したいなら、「太陽光」「色温度(5200K)」くらいの設定はありかと思いますが、そういう細かい表現を出したいなら、時間のないダイビング中にカメラの小さいモニターを見ながら調整するより、家に帰ってパソコンでしっかりと確認しながらRAW現像で微調整した方が良いと思います。

ということで、やっぱりストロボ光のみの場合でも、オートが残りました。

オート(雰囲気優先)
オート(ホワイト優先)

ホワイト優先はちょっと青みがかかっていて、冷たい感じがします。

なので、オート(雰囲気優先)の方が良いです。


水中撮影のホワイトバランス設定まとめ

ホワイトバランスを変えて同じ条件で撮影し、どの設定が良いか検証しました。

結論としては、「オート(雰囲気優先)」が一番いいです。

撮って出しにこだわりがあって、撮影時に表現したい雰囲気まで含めて追い込みたいという場合は、「色温度」の設定で細かく数値を設定することになりますが、時間が少ないダイビング中にそんな設定をしている余裕はありません。

撮影時はオートにして、ホワイトバランスのことは考えずに撮影しましょう。
その方が、シャッターチャンスを逃さず、結果的にいい写真を撮ることができます。

青抜きをする場合は、「オート(ホワイト優先)」でも良いと思います。
海の青をより青く表現できるので、ワイド撮影でも「オート(ホワイト優先)」が良い結果になるのではないでしょうか。

ワイド撮影については、またの機会に検証してみます。

ホワイトバランスは、撮影後にパソコンで調整することもできるし、カメラ内でRAWから変換することもできます。

今回は、実際に撮影時にホワイトバランスを変えて撮影しましたが、実は、後でカメラ内で設定変更してRAWからJPEG変換しても同じ結果になります。

撮影時にやるべきこと、撮影後に調整できることを明確にすることも重要です。
この区別が明確ではない方は、こちらの記事を参考にしてください。

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