広告 作例 水中撮影

ふんわり写真でかわいさを表現

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人も動物も子供はかわいいものです。
今回は、魚の子供=幼魚のかわいさをふんわり写真で表現してみます。
幼魚を例に説明しますが、同じ方法で人物やペットもふんわりかわいく仕上げることができます。

今が旬?アミメハギの幼魚

この記事を書いているのは5月5日のこどもの日ですが、2日前に行ったダイビングで、たくさんのアミメハギの幼魚を見つけました。
海の中もこどもの日のようです。
このとき潜ったポイントでは、アオリイカの産卵床にするために木の枝を水中に沈めていたのですが、そこにアミメハギの幼魚がいました。
産卵床のような障害物があると、アオリイカだけでなく、身を隠せる場所を求めてたくさんの魚が集まってきます。
アミメハギの幼魚もその1つで、小さい体を守るために枝に寄り添っていました。
そんな幼魚の小さく儚げな様子を表現するために、レタッチでふんわりと仕上げてみます。

レタッチ前の写真がこちらです。
大きい魚が入ってこれない、入り組んだ枝の中に身を隠しています。

枝に隠れるアミメハギの幼魚

ふんわり写真の基本は明るめ設定

上のレタッチ前の写真は、どこも白飛びしていなくて、魚の色や形もよくわかり適正露出の状態ですが、ふんわりとやさしい雰囲気の写真にする場合は、ちょっと明るすぎるかなと思うくらいの露出オーバーな写真にします。
全体的に明るくなると、明るい部分と暗い部分の差があいまいになり、ふんわりとした感じになります。
今回は、露光量を+0.80に設定しました。
露光量を上げることで、全体的に色が薄い感じになり、やさしい雰囲気になりました。

露光量+0.80

明瞭度を下げてさらにふんわり感を出す

やわらかい、ふんわり感のある写真は、一言でいうと、輪郭部のコントラスト(明暗差)が弱い状態です。
先ほどは、全体の露光量を上げることで、明るい部分と暗い部分の差が小さくなり、輪郭部のコントラストが弱くなる効果がありましたが、Lightroomには、輪郭部のコントラストを直接操作する機能があります。
それが「明瞭度」です。
明瞭度を上げると、輪郭部のエッジが立ち、下げると輪郭部のコントラストが低くなり、ソフトフォーカスのような見え方になります。
今回は、ふんわり感を出すために明瞭度を下げました。
あまりやりすぎるとどこにもピントが合っていないような眠たい写真になるので、写真を見ながら少しずつ変えるのが良いと思います。
今回は、-25に設定しました。

明瞭度-25

円形フィルターでメインの被写体を強調しつつふんわり感を出す

今回の写真で表現したいのは、

  • 幼魚のふんわりかわいい雰囲気
  • 枝にひっそりと隠れる様子

です。
このために、全体的に露光量と明瞭度を調整して、ふんわり感を出してきましたが、周辺の枝の主張が強くて硬い雰囲気を感じます。
でも、これ以上明瞭度を下げると、メインの幼魚までぼんやりしてしまうので、円形フィルターで部分的に補正します。
下の画像のように、幼魚の周りを選択するような形で円形フィルターの効果を適用します。

赤い部分が円形フィルターの範囲

このとき、円形フィルターの「ぼかし」の設定は50にしています。
「ぼかし」はフィルターの範囲の境界部分をどのくらいぼかすかということです。
ここを0にすると、選択範囲がくっきりと区別され、補正した箇所が目立ってしまうので、50くらいぼかすのが良いです。

メインの被写体以外を明瞭度でぼかす

選択範囲を決めたら、設定値を変えて調整していきます。
まずは、幼魚の周辺の枝の硬い雰囲気を柔らかくするため、明瞭度を下げます。
円形フィルターで幼魚は除外されているので、遠慮なく下げても被写体がボケてしまうことはありません。
今回はめいっぱい下げて、-100に設定しました。

明瞭度-100

シャドウを上げてコントラストを下げる

さらに周辺のやわらかさを出すために、シャドウを上げます。
シャドウを上げる(明るくする)ということは、影が薄くなるということなので、輪郭のコントラストが下がった状態になり、やわらかい雰囲気になります。
シャドウ+23に設定しました。

シャドウ+23

トンネルのような効果を狙って周辺の露光量を下げる

ここまで、やわらかい雰囲気を出す調整をしてきましたが、もう1つの表現したかった点は、枝にひっそりと隠れる様子です。
この感じを出すために、周辺の露光量を下げます。
周りが暗く、幼魚だけぽつんと明るいことでひっそりと隠れている様子を表現します。
円形フィルターの範囲は上と同じく、幼魚以外が選択されている状態で、露光量を-0.40に設定しました。

露光量-0.40

最後に露光量を調整して完成

周辺の露光量を下げたことで、全体的に暗い雰囲気になったので、全体の露光量を+0.20して明るく調整して完成です。

レタッチ後
レタッチ前

レタッチ前と比べると、かなりやわらかい雰囲気になって、アミメハギの幼魚のかわいらしさが表現できたと思います。
今回は、

  • 幼魚のふんわりかわいい雰囲気
  • 枝にひっそりと隠れる様子

というのを目指してレタッチをしました。
ふんわり感を出すために露光量を上げ、明瞭度を下げました。
枝にひっそり隠れている様子を表現するため、円形フィルターで幼魚周辺を補正しました。
目指す方向性が決まれば、何をするべきか見えてきます。
もしレタッチをしていてどうすれば良いかわからなくなったら、何を目指してレタッチを始めたのかというのを思い出し、原点に立ち返ってみると良いと思います。
今回使った、ふんわりかわいくする方法は、水中写真だけでなく、陸上写真でも使えます。
子供やペットの写真をふんわりかわいく仕上げたい場合も同じように露光量と明瞭度を調整してみるといいと思います。


水中写真でよく使うレタッチ方法はこちらの記事でまとめています。

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