普段、多少失敗してもレタッチでなんとかなるという記事を書いていますが、撮影時にしっかりやっておかないとどうにもならないこともあります。
今回は、シルエット写真を美しく撮影するコツと、最後に簡単なレタッチで仕上げる方法を紹介します。
シルエット写真の撮影
シルエット写真は太陽、被写体、自分の位置関係が重要
シルエット写真でもっとも重要なのは、太陽、被写体、自分の位置関係です。
シルエットなので、当然逆光になるような位置関係にするのですが、太陽が被写体で隠れるように撮影します。
同じ逆光でも、太陽そのものが見えてしまうと、光が強すぎて太陽が目立ってしまいます。
太陽がメインではなく、被写体を強調したいなら、太陽が被写体の後ろに隠れる位置関係を意識すると良いです。
また、太陽が完全に被写体の後ろに来ると、被写体はきれいに真っ黒なシルエットになります。
斜めから光が入るとシルエットになりきらず、中途半端になります。
太陽を真後ろにした写真がこちらです。
構図はすっきりと
ど真ん中に被写体がある「日の丸構図」はあまり良くないと言って避けることも多いかと思いますが、意図をもって日の丸構図にする場合は良いと思います。
今回の写真は、太陽を背にしたシルエットを強調して、すっきりした構図にしたかったので、日の丸構図がベストです。
シルエット写真は、色が少なく、光と影だけで表現するので、構図をしっかり考えることが大切です。
また、トリミングなしで大丈夫なように撮影することも重要です。
というのも、上の写真を見るとわかるように、四隅はレンズの効果で暗くなります。
トリミングをすると、この暗い部分が均等ではなくなり、右側の角だけ明るくて、左は暗いという状態になってしまいます。
今回の写真もトリミングをしていません。
最後にちょっとだけレタッチで補正
ここまでのことを意識すれば、きれいなシルエット写真になりますが、それでも、完全な真っ黒シルエットではなく、少し光が入ってしまいます。
完全に黒つぶしてきれいなシルエットにするために、少しだけレタッチで補正します。
今回適用した補正は、
- シャドウ-90
- 露光量+0.10
- 色かぶり補正+35
シャドウを下げることで、被写体の黒がより黒くなり、完全な黒つぶれの状態になります。
露光量は少しだけ上げて海の色を明るくしました。
さらに、海の色が緑っぽかったので、色かぶり補正を調整してきれいな青色にしました。
完成した写真がこちら。
カメがきれいな真っ黒のシルエットになりました。
撮影時にするべきことをしっかり意識して撮影し、最後にレタッチで少しだけ補助するというイメージです。
撮影時に完璧に仕上げないといけないとか、なんでもレタッチで補正できるというのではなく、撮影時にやること、レタッチでやることを考えて撮影することが大切です。