いままで紹介したレタッチでも多く使用していて、水中レタッチの定番になっている「かすみの除去」ですが、いつもかすみの除去ばかりだと面白くないので、今回は使わずにレタッチしてみました。
レタッチ前
レタッチ前のが写真がこちら
この写真の失敗ポイントは、
- 他の人のフィンが写りこんでいる
- クジラとの距離が少し遠くぼんやりしている
- 青かぶりしている
クジラのような大きな被写体を取るときは、フィッシュアイレンズ等の超広角レンズを使います。
このときも15mm フィッシュアイレンズを使用して撮影しています。
このような超広角レンズを使用すると周りの余計なものが入りやすいので、今回の写真のように他の人のフィンが写るのはよくあります。
被写体にもっと近づいて、初めから画角いっぱいにクジラが入るようにできれば、余計なものが入らないし、青かぶりも防げて良かったのですが、クジラのように近づくのが難しい被写体だとそうはいきません。
レタッチでカバーします。
今回のようにうまく寄れなかったときのぼんやり感を解消するのに「かすみの除去」は便利ですが、今回はかすみの除去なしでやっていきます。
レタッチ
切り抜き
まずはトリミングして邪魔なものが映らないようにして構図を整えます
色温度
青かぶりした状態を補正して本来の色を再現するために、色かぶり補正と色温度を調整。
どのくらい調整すればいいか、基準がわからないときもあると思いますが、クジラの頭の少し光が当たったグレーの部分に注目し、そこが本来の色を取り戻すように調整するといいです。
他の写真でやるときも明るめのグレーの部分を探して、そこの色を見ながら調整していくといいです。
- 色かぶり補正+75
- 色温度+2500
黒レベル
ぼやっとした感じを引き締めるために黒レベルをマイナスにします。
クジラの黒をかっこよく表現することを目指します。
全体的に明るさが足りないと感じたので、露光量もプラスしています。
- 露光量+0.50
- 黒レベル-55
HSL(色補正)
かすみの除去を適用したときのような、濃い海の青を表現するためにブルーの彩度、輝度、色相を調整します。
普通に写真で撮っただけだと、空や海の青は肉眼で見たときの印象より薄い感じになりますが、主に彩度と輝度を調整することで濃い青を表現できます。
空や海の濃い青は、彩度を少し上げて、輝度を下げると実現できます。
- ブルーの彩度+21
- ブルーの輝度-14
- ブルーの色相+13
微調整
全体のバランスを見ながら、今まで設定した項目を再度調整していきます。
- 色かぶり補正+10
- 色温度+2736
- 黒レベル-10
- 露光量+0.30
明瞭度
ここまでで、かなりイメージに近くなったのですが、まだ少しもやっとした感じがあって、クジラの力強さが足りないと感じたので、明瞭度をプラスしました。
明瞭度+50
完成
明瞭度をプラスして完成した写真がこちら
今回はかすみの除去を封印してレタッチしてみました。
かすみの除去を使わなくても、色補正、コントラスト、明瞭度を調整することで、かすみの除去を使ったときのようなくっきりとした写真に仕上げることができます。
いつもと違う方法でやってみると、新たな発見もあって、スキルアップにつながると思いますので、ぜひいろいろ試してみてください。