西伊豆で激レアな「ホウセキカサゴ」に出会いました。
体長約15cm、レンズは100mm相当のマクロレンズ。
こんなとき、どんな写真を撮り、どういうレタッチをしたか紹介します。
まずは普通にマクロで撮影
100mmのマクロレンズで15cmのホウセキカサゴは大きすぎて、画角に収まりません。
このため、まずは全身を入れることを考えず、ホウセキカサゴを見ていいなって思った部分を強調するように切り取ります。
私は、ちょっと上を向いたアゴと口の周りの花びらみたいな皮弁がいいと思ったので口周りを中心に切り取りました。
これはこれで、もちろんお気に入りの写真なのですが、レア生物に出会ったら、これだけだともったいないです。
周りの環境や全身が写っている図鑑のような写真も撮っておくと良いです。
全身が写るように撮影した結果
100mm相当のマクロレンズで、全身が映るように引いて撮影した写真がこちら。
全身がしっかり収まっているし、砂地に住んでいることがわかっていいのですが、引いて撮影しているため、青被りが強くなり、ぼやけた写真になっています。
今回はこれをレタッチして実際に見た時のイメージに近づけます。
レタッチ
かすみの除去
まずは、引きで撮ったことによるモヤっと感解消のためにかすみの除去をプラスします。
かすみの除去+40
露光量
かすみの除去を適用すると暗くなるので、暗くなった分を補う程度の露光量プラスを適用
露光量+0.5
コントラスト調整
ここまでで引きで撮ったことによるモヤっとした感じは解消されたのですが、まだ締まりがない感じがしたので、コントラストを調整します。
コントラストは、「コントラスト」という項目で調整しても良いのですが、ハイライト、シャドウ、白レベル、黒レベルを使って調整した方がより細かく設定できて、自分のイメージを表現できるので、この4つで調整していきます。
今回は下記の設定にしました。
- ハイライト +35
- シャドウ -34
- 白レベル +30
- 黒レベル -40
- 露光量 +0.2
コントラストを強くしたい場合は、ハイライトや白レベルの明るい側の値をプラスにして、シャドウと黒レベルの暗い側の値をマイナスにすることがポイントです。
こうすることで、明るい部分と暗い部分の差が大きくなり、全体的にくっきりとした印象になります。これが、コントラストが強い状態ということになります。
コントラストを変えると明るさも変わるので、露光量も少しプラスします。
色かぶり補正
最後に色かぶり補正を適用します。
引いて撮影すると、ストロボの光が十分届かず、青被りの状態になるので、色かぶり補正を適用することで、本来の色を表現することができます。
今回は、色かぶり補正+20にしました。
完成
以上のレタッチで完成した写真がこちら。
マクロレンズで大きめの魚の全身と周りの環境を撮影するという少し無理のある状況でしたが、レタッチで実際に見たときのイメージに近い写真にできました。
何もない砂地にぽつんといて少し不安なのか、自分より小さい石に寄り添って隠れた気分になっている感じが微笑ましいです。
めったに見れないレア生物に出会ったときは、こういう出会ったときの状況がわかる写真も撮影しておくとおもしろいと思います。