Lightroom・Photoshop

Lightroomが使えない3つの理由。Canon R5のノイズと色がヤバい。

私はずっとLightroomを使ってきましたが、EOS R5を買ってからはLightroomは使えないと考えるようになりました。
それは、LightroomがR5のカメラマッチングプロファイル未対応だからです。
EOS R6やEOS RPも同じ状態です。

この記事では、なぜカメラマッチングプロファイル未対応だとLightroomが使えないのか、実際に撮影した写真で説明します。
Lightroomが嫌いになったわけではなく、好きでずっと使っていきたいけど、どうしても使えないと判断したので、同じようにR5 + Lightroomユーザーの方の参考になるのではないでしょうか。

Lightroomが使えない3つの理由

Lightroomが使えないと判断したのは、R5のカメラマッチングプロファイル未対応だからです。
カメラプロファイルについては、以前の記事をご参照ください。

カメラプロファイルが対応していないことで問題だと感じた点は、次の3つです。

  1. 色が悪い
  2. ノイズがひどい
  3. 解像感がない

順番に実際の写真を例に説明します。

1.色が悪い

以前の記事でも書いたように、プロファイルを「Adobeカラー」にすると色が悪いため、カメラの色を再現した「カメラ標準」を使う必要があります。
でも、LightroomはR5のカメラプロファイルに対応していないため、「カメラ標準」を選ぶことができません。
いまいちな発色の「Adobeカラー」を使うことになります。

下の写真を見てください。
どちらも補正なしの撮って出しです。
左がCanon純正のRAW現像ソフト「Digital Photo Professional」、通称DPPでRAWを取り込んだ後、何もせずJPEGに書き出した写真です。
右がLightroomで、同様にRAWを取り込んだ後、何もせずJPEGに書き出した写真です。

DPPと比べるとわかるように、赤が少しくすんだような色になっていて、植物の緑も少し黄色がかかったような色になっています。
どうせRAW現像するのだから、スタートの色はどうでもいいのでは?
って思うかもしれませんが、そんなに簡単ではありません。
やってみるとわかりますが、赤の発色を調整しようとすると、他の部分の色がおかしくなって、全体をバランスよく調整するのが難しいです。

単純にホワイトバランスの設定だけの問題ではありません。
彩度や色ごとの輝度を駆使して調整してもDPPのようなきれいな色にするのは難しいです。
プリセットを状況に応じて使ったり、補正ブラシで部分的に調整したりすれば、うまく調整できるかもしれませんが、現像のスタートに立つためだけに、そのような細かい調整を1枚1枚やるのは不可能です。

撮影した状況や被写体によって必要な補正は変わるので、毎回同じことをすれば良いということではないです。
固定のプリセットを使うことはできません
ある程度正しい色でスタートしないとRAW現像は厳しいので、R5のカメラプロファイルをサポートしていないLightroomは使えません。

2.ノイズがひどい

カメラプロファイルが対応していない弊害は、色だけではありません。
Lightroomで読み込んだ写真はノイズもひどいです。

下の写真は、博物館で撮影した写真ですが、博物館は暗いので、ISO 8000で撮影しています。

先ほどの写真同様、Lightroomは色が悪いですが、今回注目してほしいのはノイズです。
拡大すると良くわかります。
ノイズに注目してほしいですが、拡大すると目が死んだような色なのは気になりますね。
でも、今回はノイズだけ見てください。

DPPは純正のソフトだけあって、ノイズをうまく抑えてきれいですが、Lightroomはノイズが目立ち、ガサガサした感じが出ています。
どちらの写真も、RAWを読み込んで、何もノイズ処理とかせずにそのまま書き出したJPEGです。

ノイズ低減をかければLightroomでも良いかというと、そんな簡単ではありません。
下の写真は、Lightroomの方だけノイズ低減をかけた状態です。

確かにノイズは低減されましたが、その代わりシャープが失われてのっぺりした感じになりました。

3.解像感がない

先ほどの続きになりますが、ノイズ低減をかけてシャープが失われたなら、シャープを適用すれば良いのでは、ということになると思います。
実際にやってみた写真がこちらです。

シャープはかけすぎるとノイズが出てしまうので、ノイズが気にならないギリギリのところまでかけました。
でも写真を見たらわかるように、のっぺりした感じは変わりません。
Lightroomは全体的に線が太い感じで解像度が悪く、毛の1本1本がきれいに描写されていないです。

ノイズとシャープはトレードオフでちょうど良い状態に調整するのが難しく、がんばって調整してもDPPのスタート地点にも及ばないというのは絶望的です。
常用ISO 51200のR5なのに、たった8000で使えないレベルのノイズになってしまいます。
Lightroom好きだったのですが、これは致命的です。

DPPが使えない理由

今まで見てきたようにDPPはさすが純正という感じで、撮って出しでもきれいな写真になっています。
でも、DPPを本格的な現像で使うのは無理です。
それは、動作が重すぎるからです。
RAW現像でパラメータを変えたときに写真に反映されるのがLightroomより遅いし、書き出し速度も遅いです。


写真を1枚書き出すときの時間を比較した結果がこちらです。

1枚書き出し時間
DPP2分09秒
Lightroom12秒

同じパソコンで書き出しているのですが、Lightroomだと12秒で終わる書き出しが、DPPだと2分以上かかりました。
本当に話にならないレベルの遅さです。
全体的に動作がもたつく感じがあるし、写真の閲覧もしづらく、RAW現像ソフトとしても写真管理ソフトとしてもLightroomの使いやすさには遠く及びません。
いくらきれいな写真ができるとしても、これだと使えないです。

Lightroomの代わりはCapture One

LightroomもDPPも使えないということで、今後はCapture Oneというソフトを使うことにしました。
先ほどの写真をCapture Oneで書き出して比較してみました。

DPPの色に近くいい感じです。
DPPと比べると若干露出が暗い感じになっていますが、Lightroomのように色褪せたような感じはありません。
ちょっと露出をプラスに振るだけでDPPのようなきれいな写真にすることができます。

ノイズ、解像度に関してもCapture Oneはいい感じです。

どの写真もノイズ低減とかやっていない状態です。
単純にそれぞれのソフトでRAWを読み込んで、そのままの状態でJPEGに書き出しています。
Capture OneはDPPと同じくらいノイズが少なく、解像感もあるきれいな写真になっています。

動作も非常に軽いです。Lightroom以上に軽快に動作します。
書き出し時間もLightroomより速いです。
同じ写真を書き出した時間がこちらです。

1枚書き出し時間
DPP2分09秒
Lightroom12秒
Capture One7秒

きれいな写真で、動作も軽いので、LightroomのかわりとしてはCapture Oneが最適だと思いました。


まとめ

LightroomはEOS R5のカメラマッチングプロファイルに対応していないので、色が悪く、ノイズもひどいです。
Lightroomが好きでずっと使ってきましたが、今後R5の写真をLightroomでRAW現像するのは厳しいので、Capture Oneを使うことにしました。

RAW現像ソフトを変えるというのは、とても大きな変更で、なかなか踏み切れないと思いますが、R5を使う方は移行を考えた方が良いと思います。

このブログでは、Lightroomの使い方を解説してきましたが、今後はCapture Oneの解説をしていこうと思います。
Capture OneはLightroomと比べてネット上にも情報が少なく、Lightroomユーザーにとってはとっつきにくい点があります。
また、Capture Oneの解説記事を書いている人は、Capture Oneが好きでずっと使っているという人が多く、Lightroomユーザー視点での情報は圧倒的に少ないです。

私は10年近くLightroomを使ってきたので、LightroomユーザーがCapture Oneを使うときの参考になるような記事を書いていこうと思います。

※2021年10月追加情報
Lightroomアップデートで、R5のカメラプロファイルが対応されました。
でも、ノイズと解像感がない問題は変わりません
Capture Oneは読み込んだ状態でかなりきれいですが、Lightroomは自分で処理する必要があります。
お手軽で平均点が高いのはLightroomですが、Capture Oneの方が写真はきれいになるので、質を求めるならCapture Oneがおすすめです。

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